innocence+α

洗ったばかりの真新しいシーツに身を埋めた。
やっとだ。と、イルカはカカシの身体の重みに心地よさを感じながら、くすぶっていた感情がなで上げられる気持ちに眉を寄せた。
いつもだったら羞恥が最初に感情として現れるのに。干したばかりの布団の上で。洗ったばかりの真新しいシーツの上で、服を脱がされながら、カカシを見上げる。明かりを消して欲しいと真っ先に口にしたいが、それは頭の隅に追いやられていた。それより先に進めて欲しい。

口づけによって潤んだイルカの目は、強請るような眼差しを見せカカシは目を眇めた。
朝の台詞といい、何となくイルカの言動が気になってはいた。ただ、簡単に言えば、それはカカシを煽った。
素っ気なく自分が求めなきゃイルカから求めてくることはない。それなのに、見下ろすイルカは目の縁を赤くし、頬を染めながら腕を伸ばして口を薄く開けている。ちらと見える赤いしたが艶めかしい。
パジャマのボタンをはずしながらその舌に誘われるように自分の舌を絡めさせた。
いつも以上にイルカの舌が熱く感じた。キスだけで溶けるような快感に、背中が震える。
カカシは唇でたどり、指で身体をくすぐるように這わせ、言葉少なく性急にイルカを高ぶらせた。尖った胸の先を指で擦れば、甘い嬌声がイルカの口から漏れる。押し殺さない声はカカシを狂喜させた。可愛らしいが、酷く淫らにも見える。今までこんな色情を感じさせる事はなかった。
カカシ煽られるままに指を最奥に忍ばせる。ぐぷ、と一気に2本、指が入った。その中の肉は誘うように収縮させ指に絡み付く。
「もうだめ...入れていい?」
自分でも切羽詰ってると思った。イルカもそれは同じなのか、聞けばイルカはこくこくと頷く。カカシは指を抜いて、自分の熱をゆっくりと押し入れた。そこまで慣らされていなくても、カカシの熱をみるみるうちに飲み込んでいく。一番奥まで押し入れると、カカシはぐいと突き上げた。
「あぁ...っ」
イルカの声が大きく漏れる。そこからカカシは間を置くことなく抜き差しを繰り返した。


カカシに抱かれながら、昨夜の事がイルカの頭を掠める。やましい事があるせいか、恥ずかしいくらいに蜜がこぼれた。
「イルカさんどうしたの...?すごい....」
カカシはうっとりとした声を出し、揺すり上げる。
言われて反応するように中が締まる。カカシは切なげに眉を寄せた。
昨日求めたカカシの熱を、今直に感じ、欲した青い目に宿る欲望の色はイルカを簡単に高ぶらせ、動くたびに漏れる声と肉の音にどうしようもなくカカシを誘い寄せる。
「やっ...言わないで...っ」
首を振り涙を浮かべながら言うも、そこから激しく突き上げられ、イルカはすすり泣くような声をあげた。掌で押さえても声は漏れる。イルカは必死に自分の指を噛んだ。
「ふっ....う、んっ....」
甘い空気が部屋に漂っていた。夢中にお互いをお求め、何回も達した。
引かない汗に布団の上で、息を整えながら身体を横たえる。
「シーツ、汚れちゃいましたね」
カカシが少し惜しそうに呟いた。
「ええ....」
言われて気が付くが、どうでもよかった。それに、部屋が明るい事に今更ながらに、恥ずかしさを覚える。声も隣の部屋に聞こえてしまったのかもしれない。
「指、大丈夫?」
聞かれてイルカは自分の指を見つめた。まだ少し歯形が残っている。それからイルカはカカシの逞しい肩に頬をもたせかけた。
「平気です。カカシさんは?」
背中に爪を立てていたことを気遣うと。カカシは肩辺りに手をあて、
「うん、平気」
優しく微笑んだ。青く澄んだ綺麗な目と整った顔はやはり自分の好みだ。恋をしていると改めて思う。
カカシに恋をしてから、自分では気が付けなかった部分が見える。それは麗しい恋心だけじゃない。淀んでる部分だってある。
ただ、それをやすやすカカシには見せるわけにはいかないのだ。
イルカは猫のようにカカシにすり寄る。カカシの大きな手が頭を撫でた。
目を瞑る。
そう、どんなに溺れているかなんて、教えてあげない。
イルカは目を閉じながら、微かに微笑んだ。



<終>
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