後悔先に立たず
昼休み。イルカはいつものように職員室で弁当を食べていた。
外は気持ちのいい秋晴れで、開けてある窓からは、早々にご飯を食べ終えた子供達が遊んでいる声が聞こえる。その楽しそうな声を聞きながら、気の知れた同僚と会話をし、のんびり食べているこの時間が好きだ。
午後の合同演習について話しながら、自分が朝作った卵焼きに箸を伸ばし、それを口に入れた時、
「せーんせ」
その声に、名前を呼ばれなくともそれが自分だと分かり、イルカは卵焼きを食べながら僅かに眉を寄せた。そして視線を向ければ、その通り、カカシがいる。その姿を目にして、イルカは隠す事なく嘆息した。
しかし相手は上忍で、あからさまなイルカの態度に、隣にいる同期から非難を含んだ視線を送られるが、それを無視する。側まできたカカシへイルカは顔を向けた。
「何か」
素っ気ない言い方はわざとだ。それに気にすることなくカカシはにこりと微笑みイルカを見つめた。
「この前お昼一緒に食べようって言ったじゃない」
カカシの言葉に、イルカは思考を巡らせてみるも、なんだかんだでやたら自分に声をかけてくるので、そう言われたらそうなのかもしれないが。いつもこんな感じで声をかけてくるから、きちんと返事をしていないし、約束はしていない。だから、はあ、と間の抜けた、曖昧な返事をしながら、
「でも私いつも弁当なので」
はっきりと言えば、カカシは机に広げられた食べかけの弁当へ目を向けた。
「先生が作ったの?」
聞かれ、その通りのなので、また、はあ、と答える。夕飯の残りや適当に朝作った弁当は同期や上司から色気がないと言われるくらい茶色く、確かに見た目は悪いが。自分の階級で一人暮らしとなれば節約することろなんて食費ぐらいしかない。いつも上忍仲間と高そうな店に足を運んでいるカカシからしたら、どんな風に見えているのかは一目瞭然と言ってもよく。内心構えるイルカに、美味しそう、とカカシが呟くから、驚いた。俺にも作ってよ、そう続けられ、思わず、は?と聞き返していた。そこで我に返る。
「無理です」
流石に、嫌です、とは言えなかった。出来は見てのと通りで料理はそこまで得意じゃない。そしてこんな残り物ばかり入れた弁当しか作れなく、しかも、誰かに作るなんてした事もない。即答するイルカに、そんな返しだろうと分かっているはずなのに、カカシは、そっかあ、と残念そうに呟く。
「気が変わったら、作ってよ」
カカシはそう言うと、イルカの返事を待つわけでもなく、またね、と声をかけ、来た方向とは反対側の、開けてある窓に向かった。窓枠に片足を着くと、そこからふわりと飛躍する。姿を消したカカシに、イルカは不快そうに眉を寄せる。作るわけないじゃん、と呆れ混じりに心で呟いた。
なんでこうなってしまったんだろう。
イルカは昼の出来事を思い出しながら、ため息を吐き出した。
あの後同期からは、もう少し優しい言い方は出来ないのかと説教された。自分だって最初は優しい言い方をしていた。なのに、しつこいくらいに変わらず何度も誘ってこられたら、誰だってああなるはずだ。
相手はあのカカシで、判断能力にも優れ頭だって切れる。自分がカカシに興味がないと、向こうだってとっくに分かっているはずなのに。
ただ、はっきり断らない自分も悪いのかもしれない。
女っ気のない自分だが、過去好意を持たれた事は何度かあった。
しかしどうこうなる内に、仕事優先にしていたら自然消滅した事もあったし、なにより自分も相手を好きになる事も出来なかったので、逆に申し訳ない気持ちにもなった。
別の上忍の時はそうなる前に断ったら、お高くとまってんじゃねえよと言われ、嫌な思いをした。
子供が好きで、将来家庭を持ちたいと言う気持ちはあるのに。自然恋愛から足が遠のくばかりで。
家庭を持つ事に縁がないかもしれないし、それか見合いをすればいいのか。
そんな風に思っている時に、カカシに出会った。
出会ったと言うか、ただ、自分がナルトの元担任だっただけで、挨拶をしただけでそれ以上の繋がりはない。自分もそれ以上関わろうとも思っていなかったのに。向こうは違った。
カカシがどんな人間なのか、全く分からないが、自分の事をよく知りもしない相手から好意を向けられ、それが相手の期待に添わなかったら。思ってたのと違うと思われても、困る。
きっと今までカカシの周りには自分のようなくノ一はいなかったから、珍しいのだろう。でも、さっき言った通り、自分はきっとカカシの意にそぐわない。
そんな事より買い物をしないと。
気持ちを切り替えるように商店街へ向かった。
イルカはいつものように肉屋で豚のこま切れ肉を買う。たまにはもっと別の肉を買ってよ、と言われたが、自分の給料では豚こまか、合い挽き肉か。そうそう給料日ではない限り高い肉はそう買えない。苦笑いを浮かべればコロッケをおまけしてもらい、礼を言って肉屋を後にする。買い忘れがないか考えている時に、目の前に入ったのは銀色の髪だった。それがカカシだと分かって向きを変える前に、運が悪いのか、向こうもこっちに気がつく。
「ああ、先生」
昼間の後の、このタイミングはちょっと自分でもどうかと思った。
基本カカシとは同じ忍びであっても仕事内容が違うから、そこまで顔を合わさない。
今日が運が悪い。そう思いながらも、見つかってしまったのだから仕方がない。イルカはぺこりと頭を下げた。別に話すことは何もないはずだから、会釈や挨拶で終わらせて欲しいのだが、向こうはそうは思っていないらしい。自分の手に持っている買い物袋へ目を向けた。買い物?と聞かれて、イルカは、ええ、まあ、と昼間と同じ様な返事をすれば、
「今日は何作るの?」
そう続けられ、一瞬迷った。適当な答えを探すが元々料理が苦手な分レパートリーも少ない。諦めて口を開く。
「・・・・・・豚キムチです」
素直に答えながら、何故か恥ずかしくなった。いや、何も恥ずかしくない。豚キムチは何も悪くない。ビールにも合うし、どんぶりにして白飯の上に乗せたら手早く食べれる。心の中で言い訳のような言葉を並べていれば、カカシは、へえ、と口にした。
「俺も好き」
そう嬉しそうに微笑まれ。思わず疑いの眼差しを向けていた。
申し訳ないが、好きそうには見えない。というかその料理を知っていると思えなかった。以前ナルトからカカシもラーメンが好きだとは聞いていたものの、肉料理を食べるならきっとすき焼きとかしゃぶしゃぶとかだろう。
自分のが作るような料理は料理とも言えないが、同意して欲しいとも思っていないし、何故そんな風に合わせようとするのか。
聞き流すようにしていたのに、苛立ちを感じる。そして、こんな会話を続けているのは正直苦痛だ。いつかは諦めると思って放っておこうと思っていたが。イルカは意を決すると視線をカカシへ向ける。口を開いた。
「あの」
少し強めの口調で言えば、なに?といつものように、優しい眼差しを向けられ、イルカは一回視線を外すが、またカカシへ戻した。
「理由を教えてください」
イルカの問いに、カカシは少しだけ顔を傾げる。理由って?と聞かれ、何も分かってないような聞き方に、だから、とイルカが口にした。
「私にこだわる理由です」
自意識過剰と言われたらそれまでだ。それか、カカシの事だからとぼけるかもしれないが、でも自分としてはハッキリさせたい。
ただ、何て言ったらいいのか分からなくてそう表現すれば、流石にそこで分かったのか、ああ、とカカシが呟いた。今まで受け流してた相手に急にハッキリと言われ、少し驚いているようにも見える。
しかし、自分にも聞く権利があるはずだ。
それに、理由を聞けば、これできっとはっきりと断る事が出来る。カカシが思っているような相手でないと。気がつくはずだ。
見つめる先のカカシは、少し困ったようにしながら、理由って言われてもなあ、と口する。意味なくつきまとっていたのかと呆れそうになれば、たくさんあるし、何て伝えたらいいのか分からないけど、と、考えながら青みがかった目をイルカに向けた。
「例えば、この前のことなんだけどね、」
そう話し始めるカカシの先が読めない。だから黙って聞いていれば、
「焼き芋屋に並んでたでしょ」
言われて、それは確かに事実で。今年初めての焼き芋屋を見つけ、テンションが上がった事を思いだし、気恥ずかしくなれば、カカシは続ける。
「先生が焼き芋屋見つけて、子供みたいに嬉しそうに並んで。それで、列に並んでたおばあさんと話し始めて、二人で笑ってたのを目にしたんだよね」
そこで言葉を切ってその事を思い出すように、カカシは薄く微笑む。
「他人と会話を始めて、笑ってる先生見て、すごいなあって」
そう言われても何がすごいのか分からない。何がですか、と聞く前に、カカシはまた口を開く。
「知らない人と昔からの知り合いのように、あんなに楽しく話してる先生を見たら、それって才能だなって」
だって俺には到底無理だもん。
カカシの言葉に。それが予想外過ぎて。イルカは言葉を失っていた。嫌みでも、嘘でもなんでもなくて。
真面目だから、とか。遊んでなさそうとか。お金がかからなさそうとか。単純そうとか。
結局どんな理由にせよ、その程度の理由に結び付けれると思っていたのに。
というか、そんな事を言われたのは始めてで。それに、焼き芋屋に並んでるのは見られたくなかった。いや、そうじゃなくて。
(・・・・・・この人本気で私が好きだ)
聞くんじゃなかったと後悔するが、今更で。
嬉しそうに話すカカシに、返す言葉もなく、ただただ恥ずかしくて。赤面して俯くしかなかった。
<終>
外は気持ちのいい秋晴れで、開けてある窓からは、早々にご飯を食べ終えた子供達が遊んでいる声が聞こえる。その楽しそうな声を聞きながら、気の知れた同僚と会話をし、のんびり食べているこの時間が好きだ。
午後の合同演習について話しながら、自分が朝作った卵焼きに箸を伸ばし、それを口に入れた時、
「せーんせ」
その声に、名前を呼ばれなくともそれが自分だと分かり、イルカは卵焼きを食べながら僅かに眉を寄せた。そして視線を向ければ、その通り、カカシがいる。その姿を目にして、イルカは隠す事なく嘆息した。
しかし相手は上忍で、あからさまなイルカの態度に、隣にいる同期から非難を含んだ視線を送られるが、それを無視する。側まできたカカシへイルカは顔を向けた。
「何か」
素っ気ない言い方はわざとだ。それに気にすることなくカカシはにこりと微笑みイルカを見つめた。
「この前お昼一緒に食べようって言ったじゃない」
カカシの言葉に、イルカは思考を巡らせてみるも、なんだかんだでやたら自分に声をかけてくるので、そう言われたらそうなのかもしれないが。いつもこんな感じで声をかけてくるから、きちんと返事をしていないし、約束はしていない。だから、はあ、と間の抜けた、曖昧な返事をしながら、
「でも私いつも弁当なので」
はっきりと言えば、カカシは机に広げられた食べかけの弁当へ目を向けた。
「先生が作ったの?」
聞かれ、その通りのなので、また、はあ、と答える。夕飯の残りや適当に朝作った弁当は同期や上司から色気がないと言われるくらい茶色く、確かに見た目は悪いが。自分の階級で一人暮らしとなれば節約することろなんて食費ぐらいしかない。いつも上忍仲間と高そうな店に足を運んでいるカカシからしたら、どんな風に見えているのかは一目瞭然と言ってもよく。内心構えるイルカに、美味しそう、とカカシが呟くから、驚いた。俺にも作ってよ、そう続けられ、思わず、は?と聞き返していた。そこで我に返る。
「無理です」
流石に、嫌です、とは言えなかった。出来は見てのと通りで料理はそこまで得意じゃない。そしてこんな残り物ばかり入れた弁当しか作れなく、しかも、誰かに作るなんてした事もない。即答するイルカに、そんな返しだろうと分かっているはずなのに、カカシは、そっかあ、と残念そうに呟く。
「気が変わったら、作ってよ」
カカシはそう言うと、イルカの返事を待つわけでもなく、またね、と声をかけ、来た方向とは反対側の、開けてある窓に向かった。窓枠に片足を着くと、そこからふわりと飛躍する。姿を消したカカシに、イルカは不快そうに眉を寄せる。作るわけないじゃん、と呆れ混じりに心で呟いた。
なんでこうなってしまったんだろう。
イルカは昼の出来事を思い出しながら、ため息を吐き出した。
あの後同期からは、もう少し優しい言い方は出来ないのかと説教された。自分だって最初は優しい言い方をしていた。なのに、しつこいくらいに変わらず何度も誘ってこられたら、誰だってああなるはずだ。
相手はあのカカシで、判断能力にも優れ頭だって切れる。自分がカカシに興味がないと、向こうだってとっくに分かっているはずなのに。
ただ、はっきり断らない自分も悪いのかもしれない。
女っ気のない自分だが、過去好意を持たれた事は何度かあった。
しかしどうこうなる内に、仕事優先にしていたら自然消滅した事もあったし、なにより自分も相手を好きになる事も出来なかったので、逆に申し訳ない気持ちにもなった。
別の上忍の時はそうなる前に断ったら、お高くとまってんじゃねえよと言われ、嫌な思いをした。
子供が好きで、将来家庭を持ちたいと言う気持ちはあるのに。自然恋愛から足が遠のくばかりで。
家庭を持つ事に縁がないかもしれないし、それか見合いをすればいいのか。
そんな風に思っている時に、カカシに出会った。
出会ったと言うか、ただ、自分がナルトの元担任だっただけで、挨拶をしただけでそれ以上の繋がりはない。自分もそれ以上関わろうとも思っていなかったのに。向こうは違った。
カカシがどんな人間なのか、全く分からないが、自分の事をよく知りもしない相手から好意を向けられ、それが相手の期待に添わなかったら。思ってたのと違うと思われても、困る。
きっと今までカカシの周りには自分のようなくノ一はいなかったから、珍しいのだろう。でも、さっき言った通り、自分はきっとカカシの意にそぐわない。
そんな事より買い物をしないと。
気持ちを切り替えるように商店街へ向かった。
イルカはいつものように肉屋で豚のこま切れ肉を買う。たまにはもっと別の肉を買ってよ、と言われたが、自分の給料では豚こまか、合い挽き肉か。そうそう給料日ではない限り高い肉はそう買えない。苦笑いを浮かべればコロッケをおまけしてもらい、礼を言って肉屋を後にする。買い忘れがないか考えている時に、目の前に入ったのは銀色の髪だった。それがカカシだと分かって向きを変える前に、運が悪いのか、向こうもこっちに気がつく。
「ああ、先生」
昼間の後の、このタイミングはちょっと自分でもどうかと思った。
基本カカシとは同じ忍びであっても仕事内容が違うから、そこまで顔を合わさない。
今日が運が悪い。そう思いながらも、見つかってしまったのだから仕方がない。イルカはぺこりと頭を下げた。別に話すことは何もないはずだから、会釈や挨拶で終わらせて欲しいのだが、向こうはそうは思っていないらしい。自分の手に持っている買い物袋へ目を向けた。買い物?と聞かれて、イルカは、ええ、まあ、と昼間と同じ様な返事をすれば、
「今日は何作るの?」
そう続けられ、一瞬迷った。適当な答えを探すが元々料理が苦手な分レパートリーも少ない。諦めて口を開く。
「・・・・・・豚キムチです」
素直に答えながら、何故か恥ずかしくなった。いや、何も恥ずかしくない。豚キムチは何も悪くない。ビールにも合うし、どんぶりにして白飯の上に乗せたら手早く食べれる。心の中で言い訳のような言葉を並べていれば、カカシは、へえ、と口にした。
「俺も好き」
そう嬉しそうに微笑まれ。思わず疑いの眼差しを向けていた。
申し訳ないが、好きそうには見えない。というかその料理を知っていると思えなかった。以前ナルトからカカシもラーメンが好きだとは聞いていたものの、肉料理を食べるならきっとすき焼きとかしゃぶしゃぶとかだろう。
自分のが作るような料理は料理とも言えないが、同意して欲しいとも思っていないし、何故そんな風に合わせようとするのか。
聞き流すようにしていたのに、苛立ちを感じる。そして、こんな会話を続けているのは正直苦痛だ。いつかは諦めると思って放っておこうと思っていたが。イルカは意を決すると視線をカカシへ向ける。口を開いた。
「あの」
少し強めの口調で言えば、なに?といつものように、優しい眼差しを向けられ、イルカは一回視線を外すが、またカカシへ戻した。
「理由を教えてください」
イルカの問いに、カカシは少しだけ顔を傾げる。理由って?と聞かれ、何も分かってないような聞き方に、だから、とイルカが口にした。
「私にこだわる理由です」
自意識過剰と言われたらそれまでだ。それか、カカシの事だからとぼけるかもしれないが、でも自分としてはハッキリさせたい。
ただ、何て言ったらいいのか分からなくてそう表現すれば、流石にそこで分かったのか、ああ、とカカシが呟いた。今まで受け流してた相手に急にハッキリと言われ、少し驚いているようにも見える。
しかし、自分にも聞く権利があるはずだ。
それに、理由を聞けば、これできっとはっきりと断る事が出来る。カカシが思っているような相手でないと。気がつくはずだ。
見つめる先のカカシは、少し困ったようにしながら、理由って言われてもなあ、と口する。意味なくつきまとっていたのかと呆れそうになれば、たくさんあるし、何て伝えたらいいのか分からないけど、と、考えながら青みがかった目をイルカに向けた。
「例えば、この前のことなんだけどね、」
そう話し始めるカカシの先が読めない。だから黙って聞いていれば、
「焼き芋屋に並んでたでしょ」
言われて、それは確かに事実で。今年初めての焼き芋屋を見つけ、テンションが上がった事を思いだし、気恥ずかしくなれば、カカシは続ける。
「先生が焼き芋屋見つけて、子供みたいに嬉しそうに並んで。それで、列に並んでたおばあさんと話し始めて、二人で笑ってたのを目にしたんだよね」
そこで言葉を切ってその事を思い出すように、カカシは薄く微笑む。
「他人と会話を始めて、笑ってる先生見て、すごいなあって」
そう言われても何がすごいのか分からない。何がですか、と聞く前に、カカシはまた口を開く。
「知らない人と昔からの知り合いのように、あんなに楽しく話してる先生を見たら、それって才能だなって」
だって俺には到底無理だもん。
カカシの言葉に。それが予想外過ぎて。イルカは言葉を失っていた。嫌みでも、嘘でもなんでもなくて。
真面目だから、とか。遊んでなさそうとか。お金がかからなさそうとか。単純そうとか。
結局どんな理由にせよ、その程度の理由に結び付けれると思っていたのに。
というか、そんな事を言われたのは始めてで。それに、焼き芋屋に並んでるのは見られたくなかった。いや、そうじゃなくて。
(・・・・・・この人本気で私が好きだ)
聞くんじゃなかったと後悔するが、今更で。
嬉しそうに話すカカシに、返す言葉もなく、ただただ恥ずかしくて。赤面して俯くしかなかった。
<終>
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