自分が思っている以上に自分の事って分かってなかったんだと。カカシは隣でテレビを見ているイルカの横顔を眺めながら、ぼんやり思った。
半年前の自分が今の自分を見たらさぞ驚くんだろうと、あり得ない妄想をしただけで笑いたくなる。
そこからテレビを見ながら声を出して笑っているイルカとの距離をカカシは詰めた。
笑った顔のままカカシへ顔を向けたイルカは、近くなったカカシに素直に予想した通りの反応する。
口づけも素直に受け入れる。初めてじゃないはずなのに、いつも緊張に硬くなるイルカの身体に触れ、触れていた唇も、頬から顎、首もとへ移動した瞬間、イルカが身を引いた。
少し上目遣いのままイルカの顔を窺うと、イルカの頬が赤く血がのぼっているのが分かる。
「するんですか?」
問われて、カカシは吹き出したくなるような感覚に襲われる。恋人同士、キスしてそのままの流れで考えれば当たり前だろうと思うのに。
「勿論、そのつもりなんだけど。イルカ先生は違うの?」
カカシはそう言って意地悪く笑えば、イルカはさらに頬を赤くさせた。
イルカ自身も分かってるはずなのに。わざわざ問えば、口にすればあからさまに恥ずかしい気持ちになるのは必然で。
「いや...その...つもりです」
困った顔でふてくされたような顔で言われ、カカシは小さく吹き出した。
この人は、ホント。いちいちいい。
自分を煽ってるなんて、知るわけがないイルカを押し倒した。



陰茎をあてがい先端を徐々に埋めていく。よく慣らしたとはいえ、まだ狭くしかし内壁が吸い付くような感覚に、カカシは少し眉を寄せた。
自分も、イルカも息が上がっている。
「....きつ...」
漏らした言葉と同時に、イルカの声が鼻からも漏れる。まだ数回しか経験がないイルカには痛いのか。ゆっくりと押し進めれば、苦しそうにイルカは眉根を寄せた。経験したことない、受け入れる側の未知なる感覚は、イルカの表情や声で拾うしかないが、その熱を帯び潤んだ目と声はカカシを煽るだけだ。硬く勃ち上がったイルカの陰茎は先端を濡らしている。
イルカが感じていると、視覚でも満足感を得たカカシは舌なめずりをした。
上着を脱いだだけのカカシはズボンの前をくつろげただけなのは、焦っているからなのは否めない。
余裕ないなあ、とカカシは心の中で思って笑った。
(...もういいよね)
イルカに言うわけでもなくそう自分に言って、本能のままにカカシは奥まで突き入れた。
「ぁう...っ」
締め付ける内壁にカカシは欲望のまま腰を振る。肉のぶつかる音と、繋がった部分の濡れた音。それにイルカの嬌声。何もかもがカカシを熱狂させる。
動物的な自分の一面が、イルカによって暴かれる。
性欲処理の為だと思っていた行為も、イルカを想えばこんなにも興奮する。
愛なんて綺麗な言葉で理解しようとも思わない。
ただ、幸せだ。
カカシは深く挿入したまま屈んでイルカの唇を塞ぎ、舌を吸った。
どこもかしこも熱いイルカは、舌もまた溶けるように熱い。
貪るように口づけをしてイルカの息を感じる。
「...ん...は...」
絡めた舌を抜くと、唾液で先端から糸を引いた。
脚を掴み再び激しく律動を始める。突き上げる強さに、イルカが悲鳴のような声を上げた。
腹までめくり上げたままのアンダーウェアから手を入れ、そのままイルカの胸の先端を触れる。硬く立った乳首を指の腹で強く擦れば、イルカの身体がまた素直にびくっと引き攣った。
乱暴に捲くし上げ露わになった先端を舐め、揺すり上げながら歯を立てるように噛む。イルカの身体がビクビクと痙攣するように震える。
「...あっ...それ、やめ...」
「あ、これ気持ちいい?」
カカシはじゅると音を立てて何度も吸い追い立てると、内壁がカカシの陰茎をきつく締め上げた。
「....るさ...ぁ...っ」
憎々しそうな顔を見せながらも、イルカは短い嬌声を繰り返し零す。
カカシはほくそ笑んだ。
舌から指に変え、イルカの胸を刺激しながら揺すり上げる。
窓を閉め切っているからか、上昇した体温にカカシは、次第に汗ばんでいくのを感じならが抜き差しを繰り返す。
「あっ...ぁ...っ、カ、カカシさん...っ」
「なに?」
余裕がなくなりつつあるカカシが聞き返すと、イルカは喘ぎながら強く眉根を寄せた。
「もう...いく....」
快楽に流された顔で。訴えかけるように涙目で見上げられ、カカシはぶるりと背中を震わせた。
自分もそろそろ限界だと思い、それがひどく残念に思う。
ずっと、こうしていたいけど。
「...俺も...いきそ....」
呟いて、カカシは激しくイルカを揺さぶった。
奥を擦った瞬間に中が更に締まる。
イルカは腰を震わせながら精液を放った。
自分のではないのにひどく満たされるのを感じながら、カカシは動きを止めず突き上げる。
「...ぁっ、..だ..まだいって」
敏感になった身体に与えられた強い刺激に、イルカは短く痙攣させた。
強い射精感にカカシはずるりと陰茎を抜き、既に汚れたイルカの腹に吐きだす。
服を汚さまいとしているからなのか、胸の上まで捲りあげられた服をぎゅっと掴んだまま、カカシの吐き出されるそれを受け止めていた。
射精してあるのは倦怠感だけなのに。
イルカのその姿を見下ろしているだけで、じりじりと炙られるような気持ちになるのは。
俺が変態ってわけじゃないんだよね、きっと。
同時に脳裏に浮かぶ、3人の部下。イルカと自分をくっつけようと奮起したのは認めるけど、恋人になるイコールこうなるなんて、幼い部下たちは想像さえしていないだろう。
淫らに汚れた恋人を眺めてまだ子供の部下を思えば、湧き上がるのは背徳感。
でもイルカはこれを求めたのだ。
愛おしいと思う相手に出会えて幸せだと思いながら、カカシはイルカに唇を重ねた。

<終>