向日葵と。②
「意外に綺麗に片付いてる」
「意外には余計だ」
向日葵の台詞にかぶせて言うと、キョロキョロ部屋を見渡しながら、振り返りざまに悪戯っぽくはにかんだ。
「でも気に入った!だからちょっと休憩〜」
荷物を置いて居間にゴロンと身体をか横にした向日葵に苦笑する。長い距離を歩いてきたのだから、疲れているだろう。
イルカは冷蔵庫から麦茶を取り出してグラスに注ぐと、テーブルに置いた。
「さて、俺は今から仕事だから、夕方までには帰るから、それまでゆっくりしろ」
はーい、と間の抜けた返事を聞きながら、鍵を取り出して置いた。
「あとこれ、無くすなよ。一応渡しておく。だからってふらふら歩き回らない。わかったか?」
「はーい」
向日葵は目を閉じたまま同じ口調で片手をあげるとひらひらと手を振った。
だらしなく伸びた手脚を見て小さく溜息をこぼす。せっかく夏休みに遊びに来てるから、多少の事は多目に見るか。
昼休みに入ってすぐ、カカシが職員室に顔を出した。
「飯、良かったら一緒にどうかなって思って」
慌てて片付けていた教材を机の上に整頓しカカシに駆け寄ったイルカに言った。
「はい、勿論です」
向日葵が来るという事でばたばたしていたせいもあり、約束と言う約束もしておらずカカシから顔を見せてくれたのは正直嬉しく、顔を綻ばせカカシを見た。
「何処行きます?」
イルカの問いに嬉しそうな顔を見せる。実はもう考えてあるんですよ、とポケットに手を入れながら猫背気味にイルカに顔を向けた。ニコニコと人懐こい笑みに、胸が締め付けられ、頬が赤くなり場所関係なくとくとくと心臓が波打った。向日葵が来る前日にカカシは自分の家に戻っている。任務で何日も会わない事はザラなのに。このたった1日ぶりのカカシに恋しさを覚えている。我ながら色ボケしてる、と胸の鼓動に内心羞恥した。
「尾崎の定食」
「わ、いいですね」
「でしょ?」
少し前にカカシが上忍仲間から教えてもらった店だ。料理が美味いと定評のある居酒屋が、最近昼間にランチを始めた。それも美味いと評判を呼んでいる。だが、値段はランチにしては少しばかり高い。その少しでイルカも同じく他中忍であるアカデミー仲間も敷居が高く、なかなか足を運べない店だ。実際イルカもカカシと一回一緒に行ったきりだ。
入ればテーブルはもうほぼ満席で、入り口近くの空いているテーブルに座る。暫くすればランチの時間帯と言う事もあり、直ぐにお膳に乗せて運ばれてきた。日頃平日の昼間に食べないような品々に、イルカは丁寧に手を合わせて食べ始めた。ヒレカツを一口食べたところで、カカシの視線に気がついて顔を向ければ、カカシはまだ御膳に手をつけず立て肘をついてこっちを見ている。
「あれ、カカシさん食べないんですか?」
「昼間はこうして俺とご飯食べようね」
「あ、…はい」
「良かった。いるのに会えないのってさみしいじゃない?」
言って手を伸ばしイルカの口元についた衣を取った。
ふふ、と笑うカカシを見て顔が一気に熱を持った。人前で。やめて欲しいとは、言いたいけど、言えない。
店内を見渡し、騒がしい店内は隅にいるテーブルにまで誰も気にしていないらしい。
「親戚の子はどう?」
カカシの声でイルカはカカシを見た。
「相変わらずでした。でもやっぱ成長って早いですね。あんなちっさかったのに」
改めてしみじみと感想を言いながら、俺もその分歳を取ったって事ですよね、とお茶をすすると、カカシは目を細めてイルカを見た。
「イルカ先生に似て明るい子?」
「似てるかは分からないですけど、明るいです。外交的で社交的なので」
「じゃあうみの家の血筋みたいな感じですか」
カカシの言葉にはは、と笑って頭に手を当てた。
「かもですね。髪は同じ黒ですけど。昔は一緒にいて歳の離れた兄妹みたいだって言われた事あります」
イルカと同じように黒い髪を1つで結っている。肌も浅黒く健康的な笑顔を思い描いて、その顔が暖簾の隙間から視界に入り、目を丸くしてイルカは立ち上がった。向日葵が目の前の路地を歩いている。
「先生?」
カカシの問いかけに答える間も無く、向日葵がきょろきょろして、暖簾から顔を出したイルカと目が合うと片手をぶんぶんと振った。
「イルカにい」
「向日葵!」
向日葵が暖簾をくぐり顔を見せた。
「イルカにい、ご飯?」
「ああ。で、お前なにやってんだ?家に居ろって言っただろう」
「だってお腹空いちゃって〜」
「飯も用意してあっただろう」
「足りない〜」
嘘つけ!と向日葵を見下ろせば、へへと舌を見せられ。イルカの怒りに動じる事ない笑顔に、嘆息した。
「それに暇だったし、ここらだったら探索していいって、イルカにいにもらった紙にも書いてあったし」
ぴらと紙を目の前に見せられ、そうだけども、とイルカは眉を寄せながら向日葵を見た。
「1日くらい大人しくしてればいいだろ」
「やだよ、貴重な時間だから。有効に活用しないと」
歯を見せてくしゃとした笑顔を作りながらも、視線がイルカの後ろへ流れていた。
「初めまして」
カカシがニコリと微笑んで手を小さく振った。その顔には既に口布がしてある。
「あっ、は、初めまして。私向日葵って言います」
言うと、きゅっと唇を引き締めて頭をぺこりと下げる。
「可愛い名前だね。向日葵ちゃん」
「えっ、そうですか」
「うん。似合ってると思うよ。イルカ先生から聞いてたけど、想像した通り、笑顔が夏みたいで素敵だね」
「ありがとうございますっ」
恥じらいを見せながら向日葵は嬉しそうに笑って頬を赤らめていた。
「えっと、それで…イルカにいの…」
「俺?俺はね、イルカ先生の、」
「は、はたけカカシ上忍だ!上官だ!」
思わずカカシの言葉を塞いでいた。カカシを見れば、少しだけ驚いた顔をしていたが、すぐにニコリと微笑んだ。
「上官?」
「上司って事だ」
「へえ、じゃあイルカにいより強い忍者ですか?」
イルカの隣の椅子に座りながら向日葵は目を輝かせた。強さに反応をしているのは一目瞭然だった。
「まあ…上忍だから、ね」
眉を下げて頭を掻くカカシをジッと見つめている。カカシは自分の御膳を向日葵に向けた。
「これまだ手をつけてないから食べていいよ」
「え、だってそれは困ります」
「いいから。俺は直ぐ任務入ってるし、また時間見つけて食べるから」
席を立つカカシにイルカは驚いて立ち上がった。側に駆け寄り袖を掴むとカカシは微笑んでイルカを見た。
「イルカ先生も食べてて」
「だって、それじゃカカシさんが」
「ホントに任務入ってるの知ってるでしょ?木の葉の美味しいお店なんだから、ゆっくり食べさせてあげなよ」
「でも」
服を掴むイルカの手が強くなった。
楽しみにしていたのだ。カカシといる時間を。向日葵が来たからと言って一緒にいれないなんて。気を遣わせている事も申し訳なくなる。
袖を掴む手にカカシが手を添えた。
「こんな場所で押し問答してたら向日葵ちゃんが困るんじゃない?」
「………」
「ね?また明日一緒に食べよう」
「………はい」
じゃ、会計は済ませとくからと言われて離そうと思った袖を再び強く掴んだ。
「駄目です!俺が払います!」
「ほーら、どっかのおばさんじゃないんだから。たまには俺に甘えてよ。分かった?」
クスクス笑って顔を覗かれて。イルカは眉を寄せながら俯いた。
たまにはって。いつも甘やかせてくれるのはカカシさんなのに。
ただ、カカシの言う通り店内の押し問答は他の客から見たら邪魔の何者でもない。イルカは言われるままにカカシから手を離した。
支払って店から出て行くカカシを見送って。席に戻れば向日葵は美味しそうにカカシの御膳を食べていた。
「いい人だね、カカシさん」
「…まあな」
食べかけのご飯をもそもそと口に運ぶ。カカシがいなくなった途端ご飯が冷めてしまったようで進まない。そんなイルカを知ることなしに向日葵は大きな口でヒレカツを頬張った。
「なんか大人の余裕って感じ。格好良いし、強いし、優しいし…イルカにいとは全然違うね」
自分でもよく分かっている部分をグサリと刺され、箸を持ったままイルカは眉間に皺を寄せた。容赦ないストレートな言葉は間違ってはいないのだが。
「あ、イルカにいも優しいから、大丈夫だよ!」
「大丈夫って」
「それにあの人よりは弱いかもしれないけど、イルカにいは強いよ!尊敬するくらい!」
「あのなあ…」
よく分からないフォローに溜息が出る。ただ、一生懸命な向日葵の表情に頬が緩んだ。それもきっと本心なのだ。
「それに、格好良いし、」
向日葵が言いかけた時、店の人が餡蜜を持ってきた。
「支払われた方から、こちらも追加されていまして」
きょとんとするイルカは店員の説明を受け更に心が痛くなった。どこまでも優しい。向日葵の為に追加してくれていたのだろう。
向日葵は手を合わせて喜び、早速と餡蜜を食べ始めている。
心内では酷く罪悪感に苛まれながら、苦笑して餡蜜を美味しそうに食べる向日葵を眺めた。
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「意外には余計だ」
向日葵の台詞にかぶせて言うと、キョロキョロ部屋を見渡しながら、振り返りざまに悪戯っぽくはにかんだ。
「でも気に入った!だからちょっと休憩〜」
荷物を置いて居間にゴロンと身体をか横にした向日葵に苦笑する。長い距離を歩いてきたのだから、疲れているだろう。
イルカは冷蔵庫から麦茶を取り出してグラスに注ぐと、テーブルに置いた。
「さて、俺は今から仕事だから、夕方までには帰るから、それまでゆっくりしろ」
はーい、と間の抜けた返事を聞きながら、鍵を取り出して置いた。
「あとこれ、無くすなよ。一応渡しておく。だからってふらふら歩き回らない。わかったか?」
「はーい」
向日葵は目を閉じたまま同じ口調で片手をあげるとひらひらと手を振った。
だらしなく伸びた手脚を見て小さく溜息をこぼす。せっかく夏休みに遊びに来てるから、多少の事は多目に見るか。
昼休みに入ってすぐ、カカシが職員室に顔を出した。
「飯、良かったら一緒にどうかなって思って」
慌てて片付けていた教材を机の上に整頓しカカシに駆け寄ったイルカに言った。
「はい、勿論です」
向日葵が来るという事でばたばたしていたせいもあり、約束と言う約束もしておらずカカシから顔を見せてくれたのは正直嬉しく、顔を綻ばせカカシを見た。
「何処行きます?」
イルカの問いに嬉しそうな顔を見せる。実はもう考えてあるんですよ、とポケットに手を入れながら猫背気味にイルカに顔を向けた。ニコニコと人懐こい笑みに、胸が締め付けられ、頬が赤くなり場所関係なくとくとくと心臓が波打った。向日葵が来る前日にカカシは自分の家に戻っている。任務で何日も会わない事はザラなのに。このたった1日ぶりのカカシに恋しさを覚えている。我ながら色ボケしてる、と胸の鼓動に内心羞恥した。
「尾崎の定食」
「わ、いいですね」
「でしょ?」
少し前にカカシが上忍仲間から教えてもらった店だ。料理が美味いと定評のある居酒屋が、最近昼間にランチを始めた。それも美味いと評判を呼んでいる。だが、値段はランチにしては少しばかり高い。その少しでイルカも同じく他中忍であるアカデミー仲間も敷居が高く、なかなか足を運べない店だ。実際イルカもカカシと一回一緒に行ったきりだ。
入ればテーブルはもうほぼ満席で、入り口近くの空いているテーブルに座る。暫くすればランチの時間帯と言う事もあり、直ぐにお膳に乗せて運ばれてきた。日頃平日の昼間に食べないような品々に、イルカは丁寧に手を合わせて食べ始めた。ヒレカツを一口食べたところで、カカシの視線に気がついて顔を向ければ、カカシはまだ御膳に手をつけず立て肘をついてこっちを見ている。
「あれ、カカシさん食べないんですか?」
「昼間はこうして俺とご飯食べようね」
「あ、…はい」
「良かった。いるのに会えないのってさみしいじゃない?」
言って手を伸ばしイルカの口元についた衣を取った。
ふふ、と笑うカカシを見て顔が一気に熱を持った。人前で。やめて欲しいとは、言いたいけど、言えない。
店内を見渡し、騒がしい店内は隅にいるテーブルにまで誰も気にしていないらしい。
「親戚の子はどう?」
カカシの声でイルカはカカシを見た。
「相変わらずでした。でもやっぱ成長って早いですね。あんなちっさかったのに」
改めてしみじみと感想を言いながら、俺もその分歳を取ったって事ですよね、とお茶をすすると、カカシは目を細めてイルカを見た。
「イルカ先生に似て明るい子?」
「似てるかは分からないですけど、明るいです。外交的で社交的なので」
「じゃあうみの家の血筋みたいな感じですか」
カカシの言葉にはは、と笑って頭に手を当てた。
「かもですね。髪は同じ黒ですけど。昔は一緒にいて歳の離れた兄妹みたいだって言われた事あります」
イルカと同じように黒い髪を1つで結っている。肌も浅黒く健康的な笑顔を思い描いて、その顔が暖簾の隙間から視界に入り、目を丸くしてイルカは立ち上がった。向日葵が目の前の路地を歩いている。
「先生?」
カカシの問いかけに答える間も無く、向日葵がきょろきょろして、暖簾から顔を出したイルカと目が合うと片手をぶんぶんと振った。
「イルカにい」
「向日葵!」
向日葵が暖簾をくぐり顔を見せた。
「イルカにい、ご飯?」
「ああ。で、お前なにやってんだ?家に居ろって言っただろう」
「だってお腹空いちゃって〜」
「飯も用意してあっただろう」
「足りない〜」
嘘つけ!と向日葵を見下ろせば、へへと舌を見せられ。イルカの怒りに動じる事ない笑顔に、嘆息した。
「それに暇だったし、ここらだったら探索していいって、イルカにいにもらった紙にも書いてあったし」
ぴらと紙を目の前に見せられ、そうだけども、とイルカは眉を寄せながら向日葵を見た。
「1日くらい大人しくしてればいいだろ」
「やだよ、貴重な時間だから。有効に活用しないと」
歯を見せてくしゃとした笑顔を作りながらも、視線がイルカの後ろへ流れていた。
「初めまして」
カカシがニコリと微笑んで手を小さく振った。その顔には既に口布がしてある。
「あっ、は、初めまして。私向日葵って言います」
言うと、きゅっと唇を引き締めて頭をぺこりと下げる。
「可愛い名前だね。向日葵ちゃん」
「えっ、そうですか」
「うん。似合ってると思うよ。イルカ先生から聞いてたけど、想像した通り、笑顔が夏みたいで素敵だね」
「ありがとうございますっ」
恥じらいを見せながら向日葵は嬉しそうに笑って頬を赤らめていた。
「えっと、それで…イルカにいの…」
「俺?俺はね、イルカ先生の、」
「は、はたけカカシ上忍だ!上官だ!」
思わずカカシの言葉を塞いでいた。カカシを見れば、少しだけ驚いた顔をしていたが、すぐにニコリと微笑んだ。
「上官?」
「上司って事だ」
「へえ、じゃあイルカにいより強い忍者ですか?」
イルカの隣の椅子に座りながら向日葵は目を輝かせた。強さに反応をしているのは一目瞭然だった。
「まあ…上忍だから、ね」
眉を下げて頭を掻くカカシをジッと見つめている。カカシは自分の御膳を向日葵に向けた。
「これまだ手をつけてないから食べていいよ」
「え、だってそれは困ります」
「いいから。俺は直ぐ任務入ってるし、また時間見つけて食べるから」
席を立つカカシにイルカは驚いて立ち上がった。側に駆け寄り袖を掴むとカカシは微笑んでイルカを見た。
「イルカ先生も食べてて」
「だって、それじゃカカシさんが」
「ホントに任務入ってるの知ってるでしょ?木の葉の美味しいお店なんだから、ゆっくり食べさせてあげなよ」
「でも」
服を掴むイルカの手が強くなった。
楽しみにしていたのだ。カカシといる時間を。向日葵が来たからと言って一緒にいれないなんて。気を遣わせている事も申し訳なくなる。
袖を掴む手にカカシが手を添えた。
「こんな場所で押し問答してたら向日葵ちゃんが困るんじゃない?」
「………」
「ね?また明日一緒に食べよう」
「………はい」
じゃ、会計は済ませとくからと言われて離そうと思った袖を再び強く掴んだ。
「駄目です!俺が払います!」
「ほーら、どっかのおばさんじゃないんだから。たまには俺に甘えてよ。分かった?」
クスクス笑って顔を覗かれて。イルカは眉を寄せながら俯いた。
たまにはって。いつも甘やかせてくれるのはカカシさんなのに。
ただ、カカシの言う通り店内の押し問答は他の客から見たら邪魔の何者でもない。イルカは言われるままにカカシから手を離した。
支払って店から出て行くカカシを見送って。席に戻れば向日葵は美味しそうにカカシの御膳を食べていた。
「いい人だね、カカシさん」
「…まあな」
食べかけのご飯をもそもそと口に運ぶ。カカシがいなくなった途端ご飯が冷めてしまったようで進まない。そんなイルカを知ることなしに向日葵は大きな口でヒレカツを頬張った。
「なんか大人の余裕って感じ。格好良いし、強いし、優しいし…イルカにいとは全然違うね」
自分でもよく分かっている部分をグサリと刺され、箸を持ったままイルカは眉間に皺を寄せた。容赦ないストレートな言葉は間違ってはいないのだが。
「あ、イルカにいも優しいから、大丈夫だよ!」
「大丈夫って」
「それにあの人よりは弱いかもしれないけど、イルカにいは強いよ!尊敬するくらい!」
「あのなあ…」
よく分からないフォローに溜息が出る。ただ、一生懸命な向日葵の表情に頬が緩んだ。それもきっと本心なのだ。
「それに、格好良いし、」
向日葵が言いかけた時、店の人が餡蜜を持ってきた。
「支払われた方から、こちらも追加されていまして」
きょとんとするイルカは店員の説明を受け更に心が痛くなった。どこまでも優しい。向日葵の為に追加してくれていたのだろう。
向日葵は手を合わせて喜び、早速と餡蜜を食べ始めている。
心内では酷く罪悪感に苛まれながら、苦笑して餡蜜を美味しそうに食べる向日葵を眺めた。
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